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逆流性食道炎

症状

胃では、酸性度の強い塩酸(胃酸とも呼ばれています)と消化酵素が含まれる胃液が分泌されています。胃液は強い酸性で食物を分解して小腸で吸収されやすくする役割があります。しかしながら何らかの原因で胃酸が食道に逆流すると、食道粘膜は強い酸である胃酸にさらされて炎症を起こします。これが「逆流性食道炎」です。

逆流性食道炎の主な症状は「胸焼け」です。みぞおちからむねにかけて「こみ上げる熱い感じ」、「焼けつく感じ」がでます。時にのどもとまで逆流してのどが赤く炎症を起こすこともあります。

診断・検査

診断のために内視鏡検査で食道と胃のつながりの部分(食道胃接合部)の炎症を観察します。

改訂ロサンゼルス分類に従って、逆流性食道炎の程度を6段階に分けています。

Grade N

内視鏡で変化を認めないもの。

Grade M

色調が変化しているもの。

Grade A

長径(縦の長さ)が5mmを越えない粘膜障害で粘膜ひだに限局されるもの。

Grade B

少なくとも1カ所の粘膜障害が5mm以上あり、それぞれ別のひだ上に存在する粘膜障害が互いに連続していないもの。

Grade C

少なくとも1カ所の粘膜障害が2条以上のひだに連続して広がっているが、全周性でないもの。

Grade D

全周性の粘膜障害

 

治療

1.生活習慣の改善

暴飲暴食は避けましょう。特に寝る前に食事をとるのは控えましょう。

朝方に胸焼けの強い方は身体を左側を下にして寝ることで胃液が胃の穹りゅう部にたまることで逆流が防げます。逆に右側を下にして寝ると、食道―胃―十二指腸が直線的になり胃液や十二指腸からの胆汁も逆流して逆流性食道炎症状が悪化します。

肥満を改善しましょう。肥満の方は内臓脂肪の圧排により胃の形が横向きになり胃酸が逆流しやすくなることが知られております。やせることで症状が改善されることがあります。

2.薬物療法

胃酸を減らすプロトンポンプインヒビターが特効薬です。数週間1日1回内服していただくことで多くの場合、症状が改善します。薬をやめることで症状が再燃される方は長期に内服することもあります。

3.手術療法

効果的な薬剤が数多く出てきたために手術による治療をすることは少なくなりました。他に効果的な薬がなく、他の原因が否定された場合に限り、手術治療を検討することがあります。

 

定期検査

逆流が続くと、食道胃接合部の食道粘膜がバレット上皮と呼ばれる粘膜に変化し食道胃接合部癌(バレット腺癌)ができやすくなるといわれております。

内視鏡による定期検査を年に1回、症状の強い方は半年に1回受けてください。

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